2016.06.30 ( Thu )

苦しいだけじゃない! 長距離を走る魅力


はじめに

ランニング

人はなぜきついことに挑戦したくなるのでしょうか。

小・中・高の体育では、ほとんどの人が長距離走を毛嫌いしていましたよね。

ところが一部の人たちは、好き好んで長い距離を走ったりします。

 

ダイエットのためであったり、体力づくりのためであったり…走る理由は人それぞれですが、人は“走る”行為自体にこだわっているように思えてなりません。

長く走ることを好んでいるプロのスポーツ選手がマラソンを走るのはともかく、全く経験のない人でも趣味で42.195kmも走ったりします。

 

大学という時間は好きな物事に好きなだけ時間を割くことができます。

何か」新しいことを大学から始めたおと考えている人に、今回は長い距離を走ることの魅力を伝えていきたいと思います。

 

走ることの意義と駅伝の楽しさ

 

特別長距離走が得意でないにもかかわらず、マラソン大会に出場したりする人がいます。

自分の限界に挑戦することができるからです。

“走る”ことに特別な才能は何もいりません。どんなに遅くても、途中で歩いてしまったとしても、「やりきった」ことにとてつもない価値があります。

 

マラソンを走りきったことと、自分がいまやりたいことに直接的な関連はなくても、いつかつらいことがあったときに、「あのマラソンの苦しみよりはマシ」と思える日がくるかもしれません。

自分がどこまで頑張れるのか知ることで、大きな自信につなげることができるのです。

 

そのような中で、魅力的な競技が「駅伝」です。

 

陸上競技に興味はなくても、1度くらいはテレビでちらっと駅伝を見たことがあるでしょうか。

駅伝は短距離のリレーとはだいぶ違います。

短距離のリレーでは、一人ひとりの走力以外にバトン渡しが重要な役割を担っていますが、駅伝はタスキの渡し方を練習したりはしません。

 

走るときは完全に1人、自分との闘いになります。

自分の大幅な遅れはそのままチームの大幅な遅れとなり、どんなに苦しくてもチームのためにタスキをつながなければならない。

さまざまな想いが交錯し、相当な重みの感動となって、伝わってきます。

ぜひ1度、駅伝を最初から最後まで見てくださいね。

 

自分が心に残った小説の一節を引用してみましょう。

「一人ではない。走りだすまでは。走りはじめるのを、走り終えて帰ってくるのを、いつでも、いつまでも、待っていてくれる仲間がいる。駅伝とは、そういう競技だ。」(三浦しをん(2006)『風が強く吹いている』新潮社)

 

効果的なトレーニングの方法

 

効果的な長距離走のトレーニングを行う上で、心がけることが6つあります。

 

1つ目は、スピード、スタミナ、筋力、柔軟性をバランスよく鍛えることです。

いつも同じ練習を繰り返しているだけでは能力は向上していきません。

トレーニング場所にも変化があるとさらによいです。

例えば、トラックやクロスカントリーコース、上り坂、階段などがあります。

練習の目的や気分によって場所も変えてみましょう。

 

2つ目は、同じチームのランナーであっても一人ひとり体力や特性が違うということです。

集団で練習する場合はみんなそろって同じメニューをこなすことが普通ですが、走る距離や本数を変えたり、グループ分けしたりして、それぞれが躍進できるようにしましょう。

 

3つ目は、“意識する”ことです。

これはいったい何のための練習なのか、どこを鍛えているのか考えることで、トレーニングの効果は全然違います。

例えば、腹筋を鍛えたいのであればお腹を意識すればよいのです。

“走る”という単純な行為の練習を続け、向上させていくことは意外と難しいこととなります。

ただ“走る”のではなく、フォームや呼吸も意識してみましょう。

 

4つ目は、少しずつ負荷をかけることです。

同じトレーニングを容易にこなせるようになったら、さらにほどよい負荷をかけるようにしましょう。

そのために、毎日のトレーニングを慎重に決め、記録することをおすすめします。

 

5つ目は、1つのトレーニングを長期間続けることです。

いろいろな種類の練習を短期間試しても、すぐに効果が現れることはなかなかありません。

アテネ五輪、女子マラソンメダリストの野口みずき選手の「走った距離は裏切らない」ということばを聞いたことがありますか?

長距離走はトレーニングを重ねれば重ねるほど、着実な能力向上が期待できます。これほど努力が実を結ぶスポーツは他にないでしょう。

 

6つ目は、伸び悩みの時期があるということです。

トレーニングの量や強度をいくら上げても効果が得られないからといって、焦りは禁物です。

故障につながってしまいます。

適切なトレーニングを維持しつつも、新しい練習を取り入れるなどして、気持ちを切り替えて挑戦してみましょう。

 

少し難しい科学的な話

 

長距離向きの人と、短距離向きの人がいることを知っていますか?

 

高校まででも保健体育の授業などで習ったことがある人も居るでしょうが、「運動」と「科学」はたえず隣り合わせで進歩していきます。

競技の結果を伸ばそうとすると必ずこのような「科学」と付き合わなければいけません。

 

筋繊維は大きく2種類に分類されます。

『タイプⅠ線維(遅筋線維、赤筋)』と『タイプⅡ線維(速筋線維、白筋)』です。

 

『タイプⅠ線維』の収縮速度は遅く、疲労耐性に長けています。

つまり『タイプⅠ線維』は持久力が高く、長距離ランナーには非常に重要な筋線維なのです。

一方で『タイプⅡ線維』収縮速度が速く、大きな力や素早い動きを可能とします。

 

一般の人の多くの筋線維組成は『タイプⅠ線維』50%、『タイプⅡ線維』50%で、男女によってもそれほど変わりありません。

しかし、能力の高いスプリンターは『タイプⅠ線維』30%、『タイプⅡ線維』70%となるなど、偏っている人が多いのです。

反対に、能力の高い長距離ランナーは『タイプⅠ線維』70%、『タイプⅡ線維』30%などになっています。

 

さらに、『タイプⅡ線維』は『タイプⅡa』と『タイプⅡb』の2種類に分けることができます。

『タイプⅡa』は素早く収縮する機能をもちながら持久力も発揮する筋線維で、『タイプⅡb』素早い動きや力の発揮には長けているものの、疲労しやすい筋線維です。

 

この2つの筋線維にはたいへん興味深い事実があります。

なんと、持久性トレーニングを実施することにより、『タイプⅡb』から『タイプⅡa』への移行が起こるということです。

 

つまり、もともとの『タイプⅡ線維』の収縮が速く大きな力が出せる特性は維持されたまま、持久力が備わり、とても優れた筋線維ができあがることになります。

トレーニングすれば、結果が得られる可能性が高いのはうれしいものですね。

 

しかし、ここで1つ注意すべき点があります。

トレーニングを継続的に行わなかった場合には、また元の筋線維タイプに戻ってしまうということです。

トレーニングを継続的に行うためにも、故障などには十分注意しましょう。

 

疲労と回復のメカニズムを知る

ストレッチ

また、陸上競技を進める上で、故障との闘いも重要です。

これは「自己管理」という言葉で表現されることもあります。

 

故障を防ぎ、効率よくトレーニングを行うために、まず疲労と回復のメカニズムを理解しましょう。

筋肉は運動の種類や強度に応じた疲労を起こしますが、その疲労を回復させることにより、以前よりも高いレベルまで能力を引き上げることができます。

この現象を『超回復』と呼んでいるのです。

 

疲労から十分に回復していない状態で次のトレーニングを行ってしまうと、『超回復』は起こらず、故障のリスクは高まります。

反対に、休みすぎるとトレーニング効果は失われてしまうので、注意が必要です。

トレーニング後のケアや軽いジョギングの方法をいろいろ試して、自分に合った回復法を見つけましょう。

 

ウォーミングアップとクーリングダウンの方法

 

大会でよい記録を残すため、故障を防ぐためにウォーミングアップは欠かせないものです。

体や精神の機能を高められ、運動する前の準備になるからです。

 

では、どのようにウォーミングアップをしたらよいのでしょうか。

最高のパフォーマンスを実現させるためには、筋肉があたためられただけでは不十分です。

深部の体温まで上昇させる必要があります。

ウォーミングアップは、多くの人が思っているよりはるかに時間のかかることなのです。

 

季節に応じで、ウォーミングアップの方法も変えなければなりません。

気温の高い夏は、すぐに体があたたまります。

なるべく日陰で行い、暑さで体力奪われないようにすることを頭に入れましょう。

夏でも体を冷やさないようにするのは大事ですが、必要以上に着込まなくても大丈夫です。

通気性のよいウエアを着ていても十分に体温は上がります。

反対に冬はとても体があたたまりにくいです。

夏よりも時間をかけるようにし、レース前の待っている時間はしっかりと着込みましょう。

 

ウォーミングアップとはいっても、具体的に何を行えばよいのでしょうか。

まずは体操やストレッチ、ウォーキングなど軽い運動から始めます。

臀部、大腿部、腰背部の大きな筋肉を動かしてから、末端の筋肉を動かすようにしましょう。

ジョグも最初はゆっくりで、徐々に通常のスピードのジョグにしていきます。

深部体温までしっかりと体があたたまったところでストレッチを行うと効果が高いです。

 

十分なウォーミングアップをして、レースも無事走り終えたら安心感から忘れてしまいがちなのがクーリングダウンです。

走った直後も急に立ち止まったり倒れ込んだりせず、体の状態を少しずつ戻していくようにしましょう。

 

おすすめは15分以上のジョギングとストレッチです。

レース後すぐに座り込みたい気持ちはよくわかりますが、クーリングダウンは疲れをとるために行います。

次のレースにつなげるためにも、ちゃんとしたクーリングダウンを心がけましょう。

 

ストレッチのコツは伸ばしているところを意識し、1つのポーズを30秒ほど続けることです。また、2人で協力してやるとよく伸ばせます。

 

走る魅力を感じてほしい

 

このように、走ることは非常に奥深い世界です。

大学で新しいことを挑戦したい人にとっても、一生付き合える楽しい趣味になってくれることでしょう。

私は陸上競技に魅せられ長い競技人生を送ってきた1人です。

自分の知識や経験が少しでも他の人に役立てばうれしいです。

 

これまでの話から、マラソン等の長距離種目に興味をもってもらえたら幸いです。

速く、長く走れる人は、いつの時代もみんなの羨望の的となります。

テレビではマラソンや駅伝が大々的に放送され、多くの人が心うごかされているのです。

それは、“走る”ことが根源的な人間の行為であり、ずっと昔から愛されているからではないでしょうか。

お気に入りのランニングウェアやランニングシューズを着用して、まずは外に出かけてみませんか!

最初は少し走っただけで息が切れてしまうかもしれません。

ですが、少し我慢していれば、走る楽しさにきっと目覚めると思います!

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