2016.07.01 ( Fri )

アイドルにプレゼントは届く? 10tチョコレートトラックの行方!


コンサート会場

大学生になると自分のお金でアイドルのコンサートなどに出かける人も多いと思います。

自分が好きなアーティストのために必死にお金をためて必死に差し入れのプレゼントを持ってコンサートに臨む…コンサートなどのイベントは「ファンとアイドルの夢と気持ちを繋ぐ場」と考えている人も多いのではないでしょうか。

 

統計的には、アイドルなどの有料コンサートに初参戦する年齢で最も多いのは大学生時代とのことです。

校則に縛られた高校時代、勉強に縛られた受験生活から解放され、アルバイトを始めて手元に自由になるお金も増えた際の1つの趣味の選択肢となるようです。

 

仮にコンサートやイベントにはなかなか行けないとしても、大学生活では男同士、女の子同士のコミュニティの中で、イケメンやかわいいアイドルのネタは会話中に頻繁に登場するはずです。

その会話が弾んでふとした拍子からファンになり仲間たちとコンサートに出陣するというケースもあるでしょう。

 

今回は、学生にとって意外と身近な「アイドルのコンサートの悲しい裏側」を、アルバイトの体験談をもとに見ていきましょう。

 

一般的なコンサートスタッフのお仕事

 

「コンサートスタッフ」という仕事は、単発アルバイトや派遣アルバイトサイトを見ると常に掲載されているいたってメジャーな仕事です。

東京ドームや幕張メッセ、武道館やビックサイトなど大型の施設でアーティストがコンサートを行う際に、その会場の設営を行う仕事が主な内容です。

 

ステージに関しては、土台を組み上げて、音響・照明・映像の設備をすべて1からセットしていきます。

何万人もの入場者が見る前で万一の事故を起こすことができないので、安全面には特に力が入ります。

土台の鉄骨を組んだ後に補強の鉄骨を入れ、さらに他のパーツと連結することで強度を上げ、固定するための金具で仕上げます。

 

映像のスクリーン1つ作るだけでも大仕事で、コンサートでよく見かける何十メートルにも及ぶスクリーンは、実は1片60cmほどの小さな照射パネルの集合体なのです。

それを何千枚単位で組み立てていく行程だけでも、数十人態勢で数時間を要する気が遠くなる作業です。

 

搬入口に届いた照射パネルは、数枚単位で頑丈で重たいハードケースに入っています。

コロこそ付いているのですが、それを押しながらドームの端から端まで何往復もするので、大変な重労働です。

 

さらに、ステージ裏に集められた照射パネルを、仮組みの足場の上に居る舞台制作会社の作業員に流れ作業で渡していくのですが、下から順に組み上げていくと段々足場が高い位置になっていくので、1枚2kg程あるパネルを落として傷つけないように「パネルリレー」するだけでも肉体的・精神的にかなり過酷な仕事内容になります。

 

もちろん客席設営に関しても同様です。

元々の会場施設の芝や床が痛まないように、まず何重にも養生シートを敷いた上からマットをかぶせていきます。

その上に、時には何千個、何万個にも及ぶ椅子を並べていく場合もあり、この一連の作業も想像通りのハードワークです。

 

このような舞台や会場設営・会場撤収などを行う業務と別に、コンサート入場者の行列整理や、会場入口で手荷物検査を行ったりする「セキュリティスタッフ」もコンサートの重要な仕事です。

 

ライブ中にステージと最前列の客席の間に入って、それ以上前にお客さんが押し寄せないように、仕切り板をひたすら押さえる役回りなどでは、ライブを最前列で見られて一見幸せな役回りにも思えますが、体制が後ろ向きでステージを見ることができないのと、熱狂的なお客さんの激しい力を防ぐのに思った以上に体力を使うので、とてもステージどころではないようです。

 

このように、「コンサートスタッフ」には主に「会場設営」と「セキュリティ」の2つの役割から成り立っていますが、どちらの仕事にも根底に1つの共通点があることに気づけると思います。

 

「出演者・お客さんの安全を100%確実に守ること」こそが、「コンサートスタッフの使命」であり、この行為を通じて「ファンとアイドルの夢と気持ちを繋ぐ空間を提供」しているのです。

これは、メジャーなアイドルだけでなく、いわゆる「地下アイドル」であってもほぼ同じことです。

究極の「裏」セキュリティスタッフとは?

 

アイドルのコンサートは、ファンにとってもアイドルにとっても待ち焦れた「夢と気持ちが繋がる魔法の時間」に違いないでしょう。

しかし、華やかなイベントの裏側には、そんな「夢と気持ちを踏み躙るアルバイト」も存在するのです。

 

人気のあるアイドルともなると、CDも飛ぶように売れ、全国ツアーなどのコンサートを開催しても全会場を満員に埋め尽くすだけの、とてつもない数のファンを持っています。

 

当然とてつもない数のファンが居るわけですから、イベントにしろ記念日にしろ、とてつもない数のプレゼントを毎回もらいます。

自分が渡した後のプレゼントが一体どのようにアイドルの手元に届いているのか、考えたことはありますか?

 

国民的アイドルの場合、コンサートだけでなく誕生日などに贈られるプレゼントの数も想像を絶します。

メンバー1人でトラック何台分ものプレゼントが1回のイベントで集まることも普通です。

 

中でも最も大きなイベントは「誕生日」と「バレンタインデー」です。

特にバレンタインデーにはメンバー全員が「1人当たり10tトラック何台分ものチョコレート」をファンから毎年贈られるのです。

 

とてもうらやましい話ですが、そんな量を当然食べきれるはずもありません。そんなことはファン自体も当然百も承知なのですが、「自分の応援する○○くんに一口だけでも食べてもらえたら本望」と淡い期待を抱いているはずです。・・・しかし残念ながら、それは叶わぬ望みなのです。

 

人気のあるアイドルグループの場合、ファンの贈り物がアイドルの手に届くことはまずありません。

まして、それがチョコレートなどの飲食物の場合なら100%一切届かないと考えて間違いありません。

 

なぜならそれを廃棄する専門のアルバイトが居るからです。

このアルバイトの仕事は、イベント会場の受付や事務所・ファンクラブに届いたプレゼントをすべて「安全に処分する」ことが仕事なのです。

 

スターはいつも危険と隣り合わせ

 

一般に考えれば分かりますが、人気のあるアイドルにはそのことを妬むアンチやライバル業者なども存在するわけで、常に誰かに命を狙われている可能性があります。

 

他国で頻発する自爆テロを例に出すまでもありませんが、「もしもプレゼントに毒が盛られていたら?」「もしもプレゼントに爆弾が仕込まれていたら?」という危険性がある品物を、わざわざアイドルの手に渡すほどタレント事務所のセキュリティ体制は甘くないのです。

 

そこで、ファンから贈られたプレゼントがどうなるかというと、事務所によってはまず爆発物と危険物のチェックを済ませた上でセキュリティスタッフのアルバイトに託されます。

 

たいていのプレゼントは、1つずつ丁寧でかわいい紙袋の中に、きれいな包装紙でくるまれて飾り紐などのラッピングが施されています。

アルバイトはスピード重視でおもむろにそのラッピングを破ります。

 

そして、まず手作りの場合はすべてが無条件でゴミ袋に一直線です。

そのまま中身を見ずにゴミにしても良いようにも思えますが、なぜ一応1つずつ封を開けるかというのは、「中に手紙や現金が入っていないかを確認するため」です。

手紙や現金が入っていた場合は、その部分だけを後日事務所を通じてアイドルに手渡されます。

 

では明らかに未開封のお菓子やチョコレートの場合の扱いはどうなるのでしょう?

正解は、全く同様の手順で廃棄されます。

外の包装紙を破った後、誰かが持ち帰ったりしないように、中の大袋は最低限開けて、できれば形ある物の形を壊してから中身をゴミ袋にぶちまけます。

 

一見ひどい話ですが、この時にたばこの灰や弁当のカスなどと一緒に詰め込むのが理想とされているのですが、実際はプレゼントの量が多すぎて、混ぜるゴミが足りないのが実情です。

 

わざわざこのようなひどいことをするのにも理由があって、プレゼントには高級な品物も多く、きれいなままでは一口食べたり、持って帰りたいと思う人が出てしまいかねないからです。

もしそのような人が食べた中に毒が入っていたら…という「精一杯の思いやり」なのです。

 

そして、仕上げにはできるだけグチャグチャに圧縮できるように、わざと土足で全体を踏んで封をします。

文字通りリアルに「ファンの愛を踏み躙る」のがアルバイトの仕事内容なのです。

タレント事務所のマネージャーが監視する中で、「封を開けては捨て、開けては捨て」を延々繰り返します。

 

未開封のお菓子やチョコレートの場合は、一見すると海外の支援団体や食べ物に困った恵まれない人たちにプレゼントしても良いように思えます。

バレンタインデーなどの際の10tトラック十台分以上のチョコレートで飢えから救える命があるかもしれません。

しかし実際は未開封に見えても中身がすり替えられて毒物が仕込まれている可能性が0ではないので、そのチョコレートはゴミにするしかないのです。

 

アタマでは「その安全を買うため」と理解していながらも、1個何千円もする高級なチョコレートなどを、そのまま踏みつけて食べられない形のゴミにして廃棄してしまうのには最初は抵抗を覚えるようです。

 

それを贈ったファンがアイドルを喜ばせるために一生懸命にそのプレゼントを愛情をこめて作った姿や、まだ中学生くらいの子供が一生懸命お小遣いを貯めてプレゼントを買いに走った姿などが浮かんだりすることもあって、罪悪感を抱いてしまうこともあるようです。

 

どんなプレゼントにどんなリスクがある?

プレゼント

 

では、すべてのプレゼントがアイドルの手に届かないかというと、実はそうではありません。中にはきちんと自分が応援するアイドルのもとに届けられるプレゼントもあるのです。

 

ファンからのプレゼントにはどのようなものが多いのでしょうか?チョコレートのような飲食品に続いて多いのが、花束です。

しかし花束も残念ながらアイドルの手元まで届くことはありません。

 

招待者入口から案内される、仕事つながりで関係の深い事務所からの花束などの場合は、撮影した写真のみは本人に渡されることがあるようですが、基本的には一般のファンが持っていった花束は無条件でゴミ袋行きです。

 

その理由は、花束のような立体物には、爆発物や危険物だけでなく、盗聴器や位置情報信号の発信機などが仕込まれている可能性があるためです。

過去には、触ると炎症を起こす薬品が塗られていたケースなどもあったといい、この判断もやむなしといったところでしょう。

 

次にぬいぐるみやキャラクターグッズ…これもゴミ袋直行です。

特にぬいぐるみの場合には、悪意を持ったライバルなどから、麻薬や覚せい剤が中綿に隠されていたこともあったそうです。

 

アイドルは「イメージが命」なので、妬みを持ったアンチやライバルの人がファンに混じって、「何も知らない本人を嵌めようとする」こともあるのです。

また、本人のスキャンダルの証拠写真がぬいぐるみの中に仕込まれていて、何年間にも及んで多額のお金をゆすられ続けたことも過去に実際にあったそうです。

 

次に時計や香水など。これも完全にアウトです。

時計のような精密な機械の中には何を仕込まれているか分かりませんし、香水も毒物や所持が禁止されている薬品などにすり替えられている可能性があるのでアイドルに渡してもらうことはできません。

 

ただし、高級そうな商品に関してはその場で同じゴミ袋には入れられず事務所のマネージャーが別途持ち帰るので、場合によっては更なる厳重なチェックを経てから、一部は届けられているのかもしれません。

 

あとは衣類。トレーナーやパンツなど厚手だったりポケットがあったりするものは、基本的に危険物が仕込まれる可能性があるのですべてゴミ袋直行です。

例外的に薄手の白色のTシャツの場合は、異物が混じっていないか、ペンで中傷などの書き込みがされていないかをチェックしたうえで、問題が無い場合のみ届けられることもあります。

しかし、ツアー中など管理が煩雑になる可能性がある場合は非効率なのでそのまま処分されてしまいます。

 

本当に届けてもらえるプレゼントは?

 

では、ファンが贈って本当に応援するアイドルの手元に届くプレゼントは何でしょうか?それはファンレターです。

 

手紙の場合にも、カッターが仕込まれていたり血液で文字が書かれていたり悪意が含まれているケースが過去にあったため、事前に「安全なものか入念にチェック」されてから届けられるので、実際にアイドルの手元に届くのは数ヶ月後ということもあります。

 

この際も、スキャンダルや脅迫に繋がる可能性があるので「写真同封はNG」で、本文内容にアイドル本人やグループ、所属事務所などを否定する内容が含まれていると処分されてしまいます。

 

過去にはファンを装った手紙の中で「アイドルの事務所移籍の勧誘」が行われたこともあったため、それ以降中身の文章まできちんとチェックされてからファンレターは届けられるようになりました。

電話番号や住所が記載されている場合も「問題あり」と判断されてしまうので、ファンレターを出す場合には注意が必要です。

 

このように、一般のファンとアイドルの間の大きな壁はプレゼントのチカラで乗り越えるのは厳しい現実があります。

しかし、その行為にもアイドルとファンの「夢の時間を守るための配慮」と考えれば納得できる部分もあります。

 

「夢を守るために夢を壊す」…こんな勉強を出来るのも、学生時代のアルバイトの魅力かもしれません。

Recommend-関連するオススメの記事-

後 援

JIHDO 公益財団法人 国際人財開発機構

協 力

FRESH! by AbenaTV

pagetop

Copyright© 大学生活を有意義にする実行委員会. All Rights Reserved.